定点凍結加工したパスタは保水率が高まり、麺の経時変化が遅くなるため茹で麺よりも優れています。日本そばやうどんも、こしのある生麺を下茹で後に定点凍結すると、添加物を使わずにこしと香りを再現できます。パンは、生地が60％焼成された状態で定点凍結すると、焼き立ての風味を再現できます。

定点凍結法は、乳製品の冷凍加工における効果が大きく、脂肪分と水分が乳化後に分離せず、生クリームは解凍後もホイップできます。無添加では冷凍加工できなかったベシャメルソース（ホワイトソース）も、加工前の味・香り・こくを再現できます。賞味期限の短いフレッシュチーズにも効果的です。

食肉の冷凍につきものだったドリップは、定点凍結加工によりほとんどなくなります。表面の変色や冷凍焼け、加熱調理による縮みもみられません。特に調理品を定点冷凍した場合、再加熱後の食感が肉汁たっぷりで、まさにその場で調理した味を再現できます。

種類によって、効果が顕著に現れます。ふぐ・マグロ・ハマチ・タイ・サバ・貝類は、離水率・色・食感・鮮度等に定点凍結効果がはっきり現れます。
特にエビ・カニなどの甲殻類に関しては、従来品にみられた水っぽさはまったくなく、またミソも溶けずに生の状態を保持できます。

野菜・きのこ類は、加熱加工後のものに定点凍結効果がはっきり現れ、新鮮な野菜を調理したものとそん色なく風味を保つことができます。